熱中症について

熱中症とは?

◆熱中症は命に関わります!◆

人は暑さにより汗をかきます。汗をかくことにより体内の熱を外に放出することで、体温を調整しています。しかし、近年の高温の環境下において、激しい運動や労働(仕事)による体温の上昇で、体内の熱を放出していても体温の調整が追いつかず、身体の中に熱がこもってしまい熱中症を発症してしまいます。

 

この熱中症というのは、様々な病態の総称であり、病態を区分すると4つに分けることができます。熱中症の疑いがある人に対して処置をする場合、適正な判断が必要不可欠となります。

 

スポーツの現場における指導者の方や労働監督者の方などは、この熱中症の知識をしっかりと得ておく必要がありますね!

 

《病態》

1.「日射病」

高温の環境下で長時間、直射日光を受けるなどして大量の発汗により脱水症状を引き起こし、一時的に循環血液量が不足します。症状には、めまい・顔面蒼白・一時的な失神などがあります。

 

2.「熱痙攣」

高温の環境下での激しい運動や労働(仕事)で大量の発汗がありしかも、塩分補給をしないで水分だけを摂取していると起きやすいです。症状には、筋肉痛を伴った痙攣があります。

 

3.「熱疲労」

高温の環境下での運動による大量の発汗で起きます。脱水とともに体内に熱がこもってしまうのが

原因となります。この状態では、すぐに医師による処置が必要となります。症状には強い口の渇き・倦怠感・強い疲労感頭痛・めまい・興奮・高体温・昏睡などがあります。

 

4.「熱射病」

熱疲労が重症化して異常に体温が上昇してしまいます。発汗は止まってしまい、皮膚は乾燥し、体内では血液が凝固して全身の臓器に障害が発生します。死に至ることもある危険な状態です。症状は、体温40℃以上・発汗停止・頻脈・血圧上昇、中枢神経障害・多臓器不全・昏睡などがあります。

熱中症に対する処置

◆単に冷やすだけでは危険な場合もあります!◆

熱中症を疑う場合、一般的に首や脇の下や股関節部分を冷やして対処することが多くみられますが、深部体温が39℃を超えている場合には、20分以内に深部体温を38℃以下にしなければ危険です。この深部体温(※)を短時間で下げるためには、一般的な対処方法では間に合わないことがあります。

 

一般的な対処方法を挙げると、脇の下や首筋、鼠径部(股関節の前部分)などをアイスパックなどで冷やすというのが知られていると思います。しかし、この方法では、短時間で深部体温を下げるという対処としては適正とはいえません。

 

短時間で深部体温を下げる方法はいくつかありますが、外での運動時が多いことを考えて1つの例を挙げると、一般的な方法に加え水道水でも良いので、流水を身体全体に掛け流し続けることです。

 

手っ取り早い方法としては、お風呂の浴槽に氷水を入れ、そこに首筋までの全身を沈めて冷やす方法になりますが、これは冷たすぎて別の発作を招く可能性もあるので難しいです。

 

何にしても、救急車による救急搬送をするまでの対応により、命を守れるかどうかという結果に関わる可能性があるので、万一に備え知識を得ておいてほしいと思います。

 

※深部体温ついて

中枢温を正確に反映するのは、腋窩(脇の下)でも皮膚温でもありません。最も適している深部体温です。この深部体温は、直腸温・膀胱温・食道温の測定になります。ちなみに、健常な人の体温の平均値が、腋窩温36.4℃に対して直腸温37.5℃と約1℃異なるといわれています。

熱中症予防

・暑い日、特に35度を超える日の外出や激しい運動は控えましょう。

 

・のどの渇きを感じる前に水分補給をしましょう。

 

・外出の際は、日傘などを使用し直射日光を避け、通気性のいい服を着て体温が上がりにくい状態をつくりましょう。

 

・エアコンや扇風機を使い、室内温度が28℃を超えないようにしましょう

脱水症状

◆水分のみでは対応不足です!◆

ご存知の方も多いと思いますが、水分だけでなくミネラル等の補給も大切です。脱水が疑われる時には

専用の経口補水液(市販のOS-1など)での補給が理想です。スポーツ飲料でも軽度の脱水症状であれば対応可能ですが、症状が進んでいると対応しきれないこともあります。脱水症状が進むと汗が止まり

、暑いのに震えが大きく出現し痙攣に至ります。できれば、そうなる前に経口補水液を飲んでもらえると良いです。震えまでくると医師による処置が必要となるので早急に救急車の要請も必要です。

 

経口補水液の使用については注意も必要です!

当院の高齢患者様にもいましたが、寝ている間の脱水症状を予防するために、夜中にトイレで起きた際、経口補水液をコップ半分くらい飲むというz対処をされていた患者様がいました。この経口補水液には、スポーツ飲料に含まれる塩分の約10倍の塩分が含まれています。予防で経口補水液を摂取することで塩分過多となってしまい、腎臓をはじめ内臓への負担が大きくなってしまいます。このように、誤った認識により危険を伴う可能性があります。

 

経口補水液は、脱水症状の予防として飲むものではないので注意してください。また、ミネラルを含んだ水分を多く摂取すれば良いかというと、多く摂取する必要はありません。何事も適量というのが大切になります。摂取しないよりは良いとは思いますが、水分も取りすぎるとアレルギー反応が出てしまうこともあります。アレルギーの他にも、水中毒という状態になることもあります。

 

良かれと思って行っている内容が誤っていると、逆にご自身の身体に負担をかけてしまうこともあるので、ご注意ください。

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